私が初めて就職したのは、もう10年も前のこと
担当の先輩について、手取り足取り始まった
「どうしてこうしたの?」
「どうしてこうしなかったの?」
「ちゃんと意味を持ってやってる?」
何をするにも理由が必要だった。
そういう職場だった。
学生時代に勉強してきたと言っても、実践となるとまったく別だった。まったくと言っていい程できなかった。
「どうしてこんなことしたの?」
「なんの為に?」
日々先輩、周りの言葉は強くなっていった
確かに理解もせずしている仕事もあった。それがどんな理由なのか、どんな必要性があるのか、どんな危険性があるのか。とても大事なことだ
あの時は早くこの状況を変えたくて、早く仕事を覚えたい。
それが精一杯だった
だが、
毎日毎日その状況にいると、その周囲の目が、言葉がすべてが敵にしか思えなくなっていた。
その時も、担当の先輩に指摘を受け、周りにいた先輩をも巻き込んで、指摘を受けた。
みじめで、悔しくて、やるせなくて、たぶん、そのすべてで。それ以外の感情も溢れて。後ろを向いた瞬間涙が止まらなかった。
敵ばかりのその環境で、私に気づく人もいない。
はずだった
「大丈夫?」
ふと横を見ると、私が一番恐れていた先輩がいた。その先輩の顔を見ると胃がキリキリする程の
「あなたならできると思って、みんな言ってる」
「本当に無理なら言って」
いつもの怖い顔が、優しくて、でも強くて、温かかった。
それからも周りの状況がすぐに良くなることはなかった。日々つらかった。
でも、すべてが敵ではないことを知った
そう思うと、落ち着いて周りの状況、自分の状況を見ることができるようになった。
渦の中にいると、振り回されるばかりで、早く逃げ出したいと思う。周りのすべてが嫌なものになっていく。
でも、
ふと外から見てみると、そうでもなかったりする
自分の目が余計に回っていたのだ。
落ち着いて引いて見てみる、自分を、周りを。
あの先輩はどんな思いで声をかけてくれたんだろう
どんな思いでもいいな
ただ私は救われたんだ。
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