人生で一番高い買い物は
家、車、家具、あるようで、ない
家族で暮らす家を買ったが、主人名義
子どもと一緒に使いやすい車を購入した
家族ものが収まる、ランドセルが置ける収納を買った
振り返ると「わたしのもの」
はひとつもない気がする
独身のとき初めて行った海外で、初めて買ったバッグが最初で最後のそれかもしれない
ドキドキわくわく
ただ世間的に大人になっただけのわたし達は、初めての海外旅行と言う響きに浮かれまくった
あれ着て行こう、これ着ていこう
お気に入りのサンダルは絶対履いていく!
行く前から浮かれてて、現地に着くとそれは明らかに観光客で、観光客狙いのあやしい商人に、腕を何度もつかまれた
だけど未熟な3人でも、3人いれば大丈夫!
そんな気分だった
3人で腕を組み、身を守った
傍から見たら全然守れてなかった気がするけど
そのときの気分は、無敵だった
知らない街で、知らない人に囲まれて
だれも、なにもかも、はじめて
でも気持ちはすごく強かった
知らない街で、知らない人の中に飛び込んで
すべてが知らない世界
まったく違う世界
どこにも、
「こうあるべき」世界はなくて
同じ、むちゃくちゃな人だけ、傍にいた。
その勢いのまま免税店へ
憧れのブランドが立ち並んで、そこもまた夢のようだった
でもその高価なバッグを、その夢のまま購入することはできなくて、バッグを持っては置き、他を見てはまたそのバッグに戻ってきた
ひとりの友達はやたらと親身に相談にのってくれた。もうひとりの友達は明らかにうんざりして、離れて立って見ていた
普段は目もくれないような値段のバッグ
「買ってみようか」
と思えたのはその空間にいたから
いまはどうだろう?
傍にいる人がまた、うんざりするほど悩むのかな
それとも、はじめから目もくれない?
思いきって、購入できる?
いやきっと、
また傍にいる人が嫌になるくらい、悩むんだろう
それでまた、
夢の中へ行きたくなるんだろう。
今週のお題「人生で一番高い買い物」