産まれた時から一緒に暮らしていた
保育園への行き帰りは、おばあちゃんの自転車の後ろに乗って。後ろから見るおばあちゃんの背中はふっくらまあるかった。
坂道になると急にスピードが出て怖かった。けど「キィ、キィ、キキキー」っていう音と一緒にブレーキがかかって、スピードが落ちていった。
「お腹すいたやろ。お菓子たべ」
「これで好きなの、買っておいで」
おばあちゃんが好きな黒棒や、甘いせんべい。今でも好きで、ついつい買ってしまう。主人が「お菓子の趣味がおばあちゃんや」なんて言うけど
今となっては、ちゃんとおばあちゃんを受け継いでいて嬉しい。
年末から微熱が下がらず、病院に行ったら肺炎になっていると。ご飯がうまく飲み込めず、肺の方に入っている。検査をしたがご飯を食べることはもう難しいと。
後は点滴でどれだけ維持できるか、
わかっていたはずだった。
もう90歳も超えて、見る度、できることが減っていった。でも、ご飯も食べれている。反応してくれる。まだまだ大丈夫と思ってた
こんな時にならないと、大切な思い出すら忘れてしまう。思い出すこともない。
いっぱいの思い出があった。
いっぱいのありがとうがあったのに
まだ、ちゃんと伝えられていない。
もう少し。
延命なんて、おばあちゃんも望んでいないと思う。痛いおもいももうしんどいだろうし
だけど、もう少し。
と思わずにはいられない
そう思うと、
「生きているだけでいい」
そんな
普段は「生きているだけ」なんて。と思ってしまうけど。
今はほんとうにそう思う。
生きててくれるだけでいい。
いっぱいのありがとうをちゃんと伝えないと
ずっとずっと忘れないよって
そばにいてくれてありがとうって🌸